ポピーインタビュー(Vol 1:根本元医師)
ポピーインタビュー:医療・福祉・看護・介護分野で活躍する皆様をご紹介するシリーズです。
第1回目の今回は当連携室ポピーの室長である根本元医師(山形市医師会副会長・根本クリニック院長)にうかがいました。
●在宅医療・介護連携室ポピーができた経緯を教えてください。
・在宅医療の中の多職種連携の推進は、政策として県から市、そして市医師会へとつながってきた。しかし、医師会だけだと医師のみになってしまう。そこで、8年前に地域多職種を巻き込んでの連携ということで、「在宅ケア研究会」を発足したが、その活動の方向性の延長としてポピーがあり、山形市から委託を受け平成27年に開設に至った。8年たって、ようやく立ちあがったという思いだ。
●多忙な外来診療の傍ら、以前より在宅医療にも携わっている熱意の原動力となっているものは何ですか?
・大学病院で外科医として勤務して後、いろいろな地域で勤務医として勤めてきたが、その頃の患者さんが今でも「先生に診てもらいたい」と尋ねてくる。飯豊のおばあちゃんなどは「先生の所に通いたい」と言って、2-3ヶ月に1回はやってくるし、小国のおばあちゃんは25年以上のつきあいで、雪が降る前と雪解けの頃にやってくる。もう90歳に近い方だ。また、こんな方もいた。置賜のタクシー会社社長さん。具合が悪いと言って電話がきた。話しぶりから脳卒中らしく病院受診をすすめたが、「先生に診てもらいたい。入院したくない。」と言って譲らない。妻の運転で駆けつけ、何とか入院にこぎつけたこともあった。
●医療と介護の連携において感じている、山形市の強みと弱みは何ですか?
・病院、診療所、訪問看護等々資源はたくさんあり、人材も豊富で、よそからは贅沢と見えるだろう。しかし、それぞれが有機的につながっていない。有機的に結びついていかないと機能しない。
●医療・介護連携でこれからやっていきたいことは何ですか?
・もっと医師に関ってもらいたい。最後の看取りを検死医がやるのでなく、かかりつけ医の延長として、在宅での看とりまでやってほしい。訪問看護と協力すれば、在宅医療は最後の看取りまでやれる。
●根本医師へのインタビューを終えて
・患者さんとの人間としての付き合いが医師としての喜びであり、在宅医療に関る原動力である。そして人間として付き合ってきた患者さんを最後まで診ることが使命。その使命感がひしひしと伝わってきました。
(K・T)