柏市 在宅医療・多職種連携研修会 二日目
(写真―左上:柏市地域医療連携センター(独立した建物、行政職員12人)、右上:柏市多職種研修会の構成団体、左下:研修でのグループワーク発表、右下・医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、SW,包括触診、ケアマネジャー等がグループワーク KJ法で)
●10月18日2日コースの2日目にオブザーバー参加してきました。
●柏市の多職種連携研修会は、右上図のように協議体として各職種団体を取り込み、毎年度ごとに団体からの研修会参加者の推薦を依頼しています。これが、医師をはじめとする多職種の偏りない参加をはかる柏市の仕掛けであり、各職種が連携に関心を寄せることにつながっているようです。又この研修を終了した各職種はそれぞれの現場で連携の推進役として影響力を発揮しているとのこと。
●研修からのトピックスー「高齢者の包括的介護予防・フレイル(虚弱)予防:東大高齢社会総合研究機構 飯島准教授」のお話~
要介護の入り口としての「サルコぺニア(筋肉減少症)」の自己評価に『指輪っかテスト』を考案(写真上):皆さんは大丈夫ですか?一度お試しを。フレイル(虚弱)予防は『社会性:人とのつながり』が鍵!とのことです。
山形在宅ケア勉強会との共催研修「在宅療養にかかわる倫理的問題について」
10月15日 国立山形病院 永野功副院長を講師に迎え標記の研修会が催されました。倫理的問題って何?難しく感じられるテーマですが、認知症90代女性への胃ろうをどう判断していくか、医療者の迷い、家族の迷いを例にお話いただき、「そうか、倫理的問題って日々関わる支援事例の中にあるんだ」と思いつつ聞かれた参加者も多かったのではないでしょうか。
先生のお話から・・・・医療現場の問題は医学的判断のみでは解決できない。医学的判断は事実・効果についての判断、倫理的判断は価値についての判断。ジレンマの解決方法はチームで話し合う、患者・家族と話し合うなど。チームで話し合うとき効果的なのがジョンセンの4分割法で①医学的適応②患者の意向③QOL④周囲の状況の4つの枠組みから情報を整理して共有すること。何かこんがらかってしまっている問題もこの4分割法で整理してみると見えてくるものがあるかもしれません。4分割法について先生に質問したところ、「これを医療機関、在宅双方で共有して使うといいですよね」とのこと。又、[問題の方向性の決定は誰が最終的にするのですか?」との会場からの質問には「誰かがするのではなく、チームの合意で決定していく、この合意が大切」・・・この「チームの合意」が今回の研修のキーワードと捉えました。 (T)
ミニ講座 「退院支援:訪問看護との連携」
秋晴れの10月14日(写真左上:連携室からの山形の空)連携室ポピーの研修(ミニ講座)「退院支援:訪問看護との連携」(講師:山形大学医学部看護学科大竹准教授、話題提供:看護協会訪問看護ステーションやまがた山川所長、参加者31名)が開催されました。両講師からのお話の後、6グループで意見交換、テーマは①どんなときに訪問看護を利用しようと思いますか? ②利用したいけど、ためらうのはどんなときですか? ③訪問看護にやってもらうと助かること、期待することは何ですか?
敷居が高い、少しこわい(笑)、料金が高い、家族が望まない、医師から指示がもらえないなどちょっとためらうとき、導入が難しい時や,服薬管理において医師と調整してもらえる、24時間連絡体制で家族もCMも安心、看護師とつながっているとヘルパーも安心できるなど助かる面など忌憚のない意見が交わされました。
最後に大竹先生からの「病院では医療に囲まれ、退院したらいきなり医療から切り離される、これでは本人も家族も不安、退院後の不安定な時期にこそ訪問看護の利用が効果的」との言葉に一同納得、又山川所長からの「実際の利用につながらなかいかもというときでも、まず一緒に訪問し説明させていただくことで家族の了解が得られるときがある、遠慮せず声をかけて欲しい」との言葉にも皆さん「えっそうなの」と励まされたようです。
訪問看護は重度になってからだけではなく、予防的に自立支援からも関われるサービスであることを、訪問看護サイドから見せていくことも大事かもしれませんね。
最後にアンケートから・・・・・●訪問看護が身近に感じられました。退院後のソフトランディングのため、相談だけでも可能であることなど参 考になりました。(グループワークで)いろんな職種の方の意見が聞けて良かったです。●夕食前のインスリンなど17時以降夜間に受け入れてくれる訪問看護が増えるとありがたい。・・・・
ありがとうございました。
柏市 多職種研修会にオブザーバー参加
千葉県柏市、そうあの在宅医療先進地として有名な柏市に去る9月13日に行ってまいりました。写真は在宅医療連携センターの事務室です。連携センターは一つの建物として独立しており、職員総勢12名、市の直営です。この日は柏市が23年のモデル事業の時から行っている「在宅医療。多職種連携に関する研修」で2日コースの1回目。講師は医師中心で皆さますごくプレゼンが上手です。テーマは「在宅医療多職種連携:IPWは何故必要か」をあおぞら診療所の川越正平先生、他に多職種それぞれからのプレゼンテーションをはさみながら、認知症の事例検討や摂食・嚥下障害の話やら盛りだくさん。10月18日に2日目があり、参加してきますので、又報告いたします。柏市は単なる多職種研修ではなく各職種の参加をはかる仕掛けを作っているのです。次回はその仕掛けの話を。(T)