山形市退院支援ルール(地域版)検討チーム中間報告
●住民の皆さまが、医療機関から地域へのシームレスな移行により安心して暮らし続けられることをめざし、山形市では「退院支援ルール(地域版)検討チーム」が活動しております。
●入院時から、退院前~退院後を通じ、医療機関と協働しながらケアマネジャー等がどのような目標とプロセスで支援していくか、フロー図の作成中です。
●検討委員は、ケアマネジャー、訪問看護、地域包括支援センター、地域病院連携室、医療系教育機関等から代表の方に参画いただき、山形市長寿支援課と当連携室ポピーが事務局を担当。各領域からの意見を反映するべく取り組んでおり、フロー図完成まで、もう一息。退院支援ルールは、支援に迷ったときのガイドにもなるものにしようと、頑張っています。
(K・T)
ミニ講座「緩和ケアセンターと地域との連携」講師:神谷浩平医師
●1月18日標記ミニ講座開催いたしました。講師は山形県立中央病院 緩和医療科長 神谷浩平医師
●緩和ケアにおいて大切なことは
・苦痛(身体的・精神的・心理社会的・スピリチュアルな苦痛)を和らげること
・患者さんの気がかりに気づくこと
・様々な場面で提供できる体制があること
であるとのお話に、これは緩和ケアだけでなく対人援助に共通の姿勢だと、あらためて大切なことに気づかされました。
●お話からのキーワード
・「症状の緩和」はあくまでも手段、「その人らしく生きる」を支えることが目標です。
・(地域で)24時間体制で見れる診療所の体制作り→「特化型診療所」+「少しづつみる診療所」が無理しないで見れる体制作りー診診連携
●アンケート~
・緩和ケアについて大変わかりやすく説明していただきました。「その人らしく生きる」という目標は共通であるため、今日の研修内容を大切にしたいと思う。
・連携する、顔が見える関係etc,訪問看護をしているとより密接に必用と感じる。自宅ときどき病院、本当に理想ではあると思います。経験や知識を踏まえて今後も自分自身頑張りたいと思いました。
(k・T)
書籍紹介「認知症 医療の限界、ケアの可能性」 上野秀樹著(精神科医)
●副題ー訪問精神科医が教える認知症でも幸せに暮らす方法ー
●著者:上野秀樹 医師(精神科医) ●メディカル出版
●2004年当初認知症の入院医療を信じていた著者が、病院のやむをえない事情から訪問診療を始めたことから、4年間で700人以上の精神症状のある高齢者を診療した。そして「行動・心理症状のひどい方でも、精神科医の訪問診療サービスがあれば、改善が期待できる」との結論に至る。
●今、地域で求められている、精神科訪問診療について実践されてきた医師がいました。
●本文より抜粋
・数年間、認知症の人に対する精神科訪問診療モデル確立のために一生懸命に取り組みました。依頼があれば、片道50キロメートルの道のりを出かけていったこともありました。私の場合、たまたま病棟が開放病棟だったために認知症の人を入院させることができず、必要に迫られて外来で対応した結果、ほとんどの認知症で入院はいらないということに気づくことができました。それまでは。行動・心理症状の激しい認知症の人は入院で対応するしかないと信じていたのですが、幸運にもこうした医療の限界に気づくことができたのです。
●豊富な事例や、ユマニチュードの紹介から、第4章「認知症の人を社会全体で支えるために」まで、とても読みやすい内容で、かつ地域多職種の方には、共感性の高い内容です。是非、ご一読を。お貸し出しできます。
(K・T)
ポピーミニ講座「がん医療の動向と地域での支援ポイント」
12月20日(火) 今年最後のポピーミニ講座を行いました。
テーマ:「がん医療の動向と地域での支援ポイント」
講師:山形県立中央病院 がん化学療法看護認定看護師 大森恵子氏
がん化学療法…なんとなく苦痛や難しさをイメージするテーマではありましたが、講師の先生が、とても分かりやすく温かみのあるかわいい資料をご準備くださいました。資料を手にとると気持ちもほっこり。
抗がん剤の副作用についても生活上の注意点や対策、そしてケアや支援のポイントについて丁寧に、そして和やかにご説明くださいました。参加者の方々からは「在宅生活のケアマネジメントに繋がる」「利用者への理解がより出来る様になると思う」といった声も聞かれました。私もアピアランスケア(外見の変化を生じた患者に対するケア)に興味を持ちました。
終始、和やかな雰囲気で講義が進み、こういったあたたかさや包み込むような雰囲気を作り出すのも専門職の技術(センス)なのだと改めて感じました。(K)