地域の事業所訪問「デイサービスけやきの森:認知症対応型通所介護」
(写真上:利用者さんと共に作ったクリスマスリース用のキャンドル。けやきの森ではアートセラピーとして塗り絵や作品つくりにも取り組んでいるが、子供だましでない、達成感につながる作品造りをめざしている。利用者さんの励みになるよう出版社の塗り絵コンテストへの応募を続けていて、室内に飾られた作品の完成度はとても高い。)(写真右下後方:管理者の高橋かほりさん)
(写真下:今日のアクティビティはイカ釣りゲーム。材料もスタッフと利用者さんが共に作成。順位競争を取り入れ、やる気を引き出す。ゲームに集中する皆さんには、笑顔があふれている。活性化になっていることはまちがいない)
・12月9日、認知症対応型通所介護事業所「けやきの森」におじゃまし、管理者(代表取締役、施設長)の高橋かほりさんにお話をうかがった。ポピー交流会の場で、「認知症対応型通所介護からも、医療につなげる必要のある生活情報の提供を医療機関につなぐ努力をしている」との言葉をおききしたことが訪問のきっかけである。けやきの森では、支援のプロセスとしてまず認知力や障害の様相を徹底的にアセスメントするという。問題行動と捉えられれがちな言動も、「失認や失行あるいは失語が原因だったりする。そこをきちんとアセスメントして接し方や対応を工夫することで、家族の負担になっていた言動が改善されたりする。」「又、眠っている能力を活性化するためにさまざまなアプローチをしているが、何事も本人参加、完成度高く、おもしろくをモットーとしている。認知力の回復、低下予防、感染予防には栄養面からも支援、栄養士も配置し青魚、葉酸、ターメリック、大豆蛋白、豚肉の摂取に配慮している」とのこと。うかがった当日のおやつは手作りのおいしそうなスイートポテトが準備されていた。
・高橋さんが介護に携わるようになったのは、認知症のお姑様の介護の経験から。看取られた後に「在宅で困難を感じておられる方に何かできるかもしれない」との思いにいたり、結婚まではOLだった高橋さんだが、それからヘルパー資格、介護福祉士資格をとり、介護事業所で経験を積み、施設管理者も経験された。その後周りの方の進めもあり、現事業所を立ち上げて5年になる。今では地域からも認知症ケアで一目置かれる存在で、地域包括支援センターからも「認知力の低下が一過性のものか見極めて欲しい方がいる」などの相談もあるとのこと。介護職員の教育にも力を入れ、職員定着率も高い。皆さんいきいきと働いていらっしゃる印象。
・高橋さんの言葉:「理想と現実のギャップはあってはならない。あなたのメンタルは私がみます!という気持ちでやっている。」から、現場実践者の信念を感じました。