寝返り支援ベッドを体験してきました
昨年末、おれんじサポートチームこころの情報交換会にて、悠愛会、大島扶美理事長から「自動で体位交換をしてくれる介護ベッドを開発いたしました」とのお話を伺いました。
ポピーではこの新型寝返り支援ベッドを実際に見せていただきたいと思い、1月18日、実際に導入しているさくらパレスを見学訪問させて頂きました。
見学には2階課長の大泉武久さん(左)3階課長の渡辺剛一さん(右)が説明をしてくださいました。笑顔がとても温かいのが印象的でした。笑顔は伝染しますね(笑)
悠愛会では2003年、天童の老人保健施設と特別養護老人ホームを開設する際、フランスベッドホールディング(株)の自動寝返り支援ベッドを導入し、利用者の安眠や職員の精神的・身体的負担軽減等の効果をもたらしました。しかし、旧式は低床タイプではなく、価格も通常の3モーター式より2~3倍。更にその後生産は中止となり、モーターが壊れても修理できない状態になりました。大島理事長は同社に再製品化を要望し、その熱意から再製品化が決まったそうです。さらに旧式のものをより使いやすいものにするため悠愛会がモニターになり、2017年2月、新型の寝返りベッドを開発しました。(悠愛会ではこの新型ベッドを山形市のさくらパレスと山辺町の老人保健施設に200台を導入しています。)
新型寝返り支援ベッドの特徴は寝返り角度(手動時は左右25度、自動運転時は20度)、速度、時間などの設定を液晶コントローラーで簡単にできること。電動スイッチ操作により設定時間に体位変換でき、高さも最低320ミリの低床化を実現しています。また壊れやすいコードだけ交換できるなど格段に機能は向上しているそうです。
実際に操作や寝心地を体験させて頂きました。まず、マットレスも体圧分散マットレスで背中にほどよくフィットしとても心地よく、操作時のモーター音はとても静かで動きもゆっくり!!これなら寝返りの度に起きてしまうこともなく、ぐっすり眠れそうです。体位変換の角度は10度では寝ていても床の傾きは感じるか、感じないか、といったところ。20度でようやく傾いてることがわかります。(さくらパレスではほとんどが10度で使うことが多く、15度や20度で使う方は少数のようでした。)液晶モニターでそれぞれの患者様の特徴に合わせて、左、右、正面と角度、時間の組み合わせを細かく設定することができます。設定のしかたは「項目ごとに順番にセットしていくので単純。覚えてしまうと簡単にできます」とのこと。また、導入してからの変化について伺うと「体位変換の必要がなくなって時間を他のことに使えるようになりました。身体もかなり楽です。褥創は持ちこみはありますが発生はありません。利用者様も夜はぐっすり休んでいらっしゃいます。」とのことでした。
更に、このベッドは寝返りだけではなく、ベッドが傾くことを利用して車椅子への移乗も楽に行えるそうです。
悠愛会全体の介護離職率は10%前後と低く、この新型ベッドを導入したことで更に数字の低下も見込まれるとのこと。大島理事長は「今後、施設の利用者が重症化してくるのは確実。先を読んでいかなければ」と話しておりました。
この新型寝返り支援ベッド、福祉用具のレンタルは未だないようですが、今後広く普及することで在宅でも活用されるようになるといいですね。(U.K)