科学的介護とは「特別養護老人ホームながまち荘の取組」1
●山形市の特別養護老人ホームながまち荘(施設長:峯田幸悦氏)では、「自立支援介護・人間尊重・地域福祉」を理念に掲げるだけでなく、実際にさまざまなユニークな取り組みをしていることで、知る人ぞ知る特養ホームである。その中でも特に目を引くのが「ながまち荘は科学的介護拠点をめざす」という文言であるが、「科学的介護」とは一体どんな介護なのか?!介護職の離職に不安が増すこの時代、「科学的介護」とは、ずいぶん魅力的な言葉であり、介護職を目指す人の心もつかむであろうことが想像できる。では現場で、科学的介護とはどのように展開され、成果を上げているのか?非常に興味深く、お話をうかがいにおじゃました。
●まずは、施設の全般的な取り組みについて、生活相談員の手塚敬一郎氏(社会福祉士)にうかがった。ながまち荘の基本的な方向性の核となっているのは、峯田施設長の目指す「自立支援介護」である。具体的には、まず排泄の自立。ターミナルであっても「トイレに行きたい」「行ける状態である」方には、積極的にトイレ移動を援助する。それが、最期までその方の尊厳を守ることになるという考え方。(在宅でも、ガン末期であっても亡くなる前日までトイレでの排泄を望まれ、家族と共に援助させていただいた方を思い出した)。ながまち荘は、平成26年に全国老人福祉施設協議会から、厳しい条件をクリアして「おむつ0達成施設証明」を拝受している。その背景には、介護職を中心に施設内多職種が連携して、食や排泄の自立に取り組む姿勢と具体的な方法論とスキルがある。「精神論的ケアではなく根拠あるケア、誰がやっても同じ結果を出せる標準化されたケア」それが、ながまち荘のめざす科学的介護であるという。
●その具体的な方法・スキル、施設内での展開を主任介護職員の会田るみ氏(介護福祉士:写真上右)にうかがったので、次便でお届けしたい。 (T)