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Feb 8, 2016

ミニ講座「医療と生活をつなぐ事例検討~精神障害での生きづらさを主訴とする事例」

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●1月28日 標記テーマのミニ講座に市内ケアマネジャー、地域包括職員、訪問看護ステーション看護師等、そして今回は病院PSW,MSWの方も参加いただき、愛ランド地域包括支援センター 冨士尚美保健師が提供くださった事例と検討課題を基に意見交換が行われました。

●講師 冨士保健師より提案の、検討課題から一部紹介

「若年期からの発症である場合、高齢になることで、社会適応力が低下し地域での生活がしにくくなる傾向があると感じる。支援機関、専門機関同士の横断的、包括的な連携システムの構築について」

「地域で患者を受け入れられるような体制や地域づくりについて、地域への啓発活動について」

●参加者アンケートから

「高齢の精神疾患の方についての支援について、地域の受け入れや関係機関との連携をキーワードに多くの意見や考えを知ることができ良かった、難しいケースではあるが、今後も大事になってくることなので継続して検討してもらいたい」

●さくら町病院の永田PSW(今回の助言者)からいただいた「精神保健福祉下の入院、移送(入退院)」他の資料を近日中掲示予定です。

●山形市に精神科専門訪問看護ステーション デューン山形(池田所長)が開設(電話:666-6567)

★今回は地域多職種と病院PSWの方などとの顔の見える関係の第1歩となりました。富士保健師から提案された地域課題検討に向け、第2弾へつないでいきましょう。

(T)

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Jan 19, 2016

科学的介護とは「特別養護老人ホームながまち荘の取組」2

その方の排泄記録はPCにも入力される。排泄リズムアセスメントに基づいてトイレ誘導を行う。

その方の排泄記録はPCにも入力される。排泄リズムをアセスメントし、トイレ誘導を行う。

 

ながまち荘の食、排泄、活動支援のバイブルは国際医療福祉大学教授 竹内孝仁氏の著書「歩行と排泄」

ながまち荘の食、排泄、活動支援のバイブルは国際医療福祉大学教授 竹内孝仁氏の著書「歩行と排泄」

排泄リズム記録表

排泄リズム記録表

 

 

とろみ剤はその方の嚥下力に応じオーダーメイド(目盛りをつけた専用コップと計量スプーンをスタンバイ)

とろみ剤はその方の嚥下力に応じオーダーメイド(目盛りをつけた専用コップと計量スプーンをスタンバイ)。誰が作っても同じ濃度になる。

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(写真上:同組織病院と連携し、必要時嚥下力評価し、その方にあったとろみ剤の量検討など行う。

(写真下:ホーム内を歩くと、そこここで好きな活動をする方に出会う。写真は注連縄造りの仲良しお二人.陶芸のコーナーもあり、地域の高齢者に開放、販売経路も検討し、地域住民の方の生きがいつくりも試みている)

●12月28日「科学的介護」のながまち荘理念に引かれて再びお邪魔し、会田るみ介護職主任に現場の実践をうかがった。(以下会田氏のお話)

「水分摂取、栄養・食事、排泄、活動はそれぞれ別のものではなく、みなつながっている。特に水分の充足は大切で、スムースな排泄はもちろんだが、覚醒状態にもとても影響が大きく、実際に多くの方が生き生きとした表情になってくる。必要に応じ医療と連携し血液検査の結果で脱水傾向の程度をスクリーニングし、必要水分量をお一人お一人勘案している。浮腫の状況や体重変化にも気をつけている。」

「水分の充足→起きていただく→スムースな排便→食事摂取量増→栄養面改善(血中アルブミン値改善)→活気が出る・活動性・歩行向上とすべてが好循環になってくる。歩くことで、表情も良くなり、結果が出ることは私達のやりがいになっている。胃ろう装着で入所された方でも、経口摂取への支援を行ったところ3年ぶりに食べられるようになった方がいて、『私に食べさせてくれてありがとう』と言ってくれたこと、会話できるまでお口の機能も回復したことは忘れられない」

「排便に下剤は極力使用せず、食物繊維ファイバーや乳酸菌補助食品の摂取を工夫している。食事量、体重、血液検査で栄養面に課題のある方には、栄養士と連携し補助食品も準備。そうして体調が良くなると、認知症の方の周辺症状も軽減してくる。」

「併せて、口腔ケアやお口の体操、マッサージによる口腔機能向上も大切で、歯科衛生士と連携して行っている。口腔の状態が良くなると、唾液の性状も変化、きれいになってくる。そのタイミングで少しずつとろみをつけた水分の摂取から開始。本格的な経口摂取は(同組織)病院でのVF(嚥下内視鏡)での評価を受けてから開始。やる気を引き出し、その方のお好きなもの、例えばソフトクリームを食べに行きましょうなど外出イベントとからめて目標を持ち声をかけたりもしている」

「食べられる、体力が付く、その次は歩行へのリハビリ。まずは起きていただくところから、施設内PTと連携して頚部の柔軟性やポジショニングを」

●ながまち荘の科学的介護とは「医療と連携しながら検査結果などの根拠を基に、又、日常生活における各種データ(排泄、水分、食事摂取)を個別に読み解き、水分摂取、低栄養予防・改善、排泄の自立、歩行や趣味活動などの活動支援まで一連の流れとしてその方にあったオーダーメイドで取り組み、結果生活の自立をひきだしていること」であった。又週1回施設内多職種が集う「自立支援検討会」を行い、かなりシビアに実践状況を評価しあい、次に展開しているという。その成果は、ホーム内を歩くと、そこここにいきいきとした居住者の皆さまや職員の方がおられ、歩いている方も車いすの方も満面の笑みを返してくださる事からもうかがえる。玄関を入ったときから、あたたかい空気が満ちている。

●医療分野では今、EBM(科学的根拠に基ずく医療)だけでなく、NBM(物語(その方のこれまでの人生)に基ずく医療)も大切にするべきだと言われてきている。片や介護分野では、ながまち荘のような科学的根拠に基ずいてケアを提供しようとの動きに期待が集まっている。医療と介護が近づきつつあると感じさせる今回のお話であった。         (T)

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Jan 6, 2016

科学的介護とは「特別養護老人ホームながまち荘の取組」1

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●山形市の特別養護老人ホームながまち荘(施設長:峯田幸悦氏)では、「自立支援介護・人間尊重・地域福祉」を理念に掲げるだけでなく、実際にさまざまなユニークな取り組みをしていることで、知る人ぞ知る特養ホームである。その中でも特に目を引くのが「ながまち荘は科学的介護拠点をめざす」という文言であるが、「科学的介護」とは一体どんな介護なのか?!介護職の離職に不安が増すこの時代、「科学的介護」とは、ずいぶん魅力的な言葉であり、介護職を目指す人の心もつかむであろうことが想像できる。では現場で、科学的介護とはどのように展開され、成果を上げているのか?非常に興味深く、お話をうかがいにおじゃました。

●まずは、施設の全般的な取り組みについて、生活相談員の手塚敬一郎氏(社会福祉士)にうかがった。ながまち荘の基本的な方向性の核となっているのは、峯田施設長の目指す「自立支援介護」である。具体的には、まず排泄の自立。ターミナルであっても「トイレに行きたい」「行ける状態である」方には、積極的にトイレ移動を援助する。それが、最期までその方の尊厳を守ることになるという考え方。(在宅でも、ガン末期であっても亡くなる前日までトイレでの排泄を望まれ、家族と共に援助させていただいた方を思い出した)。ながまち荘は、平成26年に全国老人福祉施設協議会から、厳しい条件をクリアして「おむつ0達成施設証明」を拝受している。その背景には、介護職を中心に施設内多職種が連携して、食や排泄の自立に取り組む姿勢と具体的な方法論とスキルがある。「精神論的ケアではなく根拠あるケア、誰がやっても同じ結果を出せる標準化されたケア」それが、ながまち荘のめざす科学的介護であるという。

●その具体的な方法・スキル、施設内での展開を主任介護職員の会田るみ氏(介護福祉士:写真上右)にうかがったので、次便でお届けしたい。               (T)

 

 

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Dec 15, 2015

拡大ミニ講座「医療と生活をつなぐ情報共有を考える」

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●12月14日 標記研修会実施。講師:山形市基幹型地域包括支援センター 保健師 青山明子氏

●連携室ポピーと基幹型包括支援センター(山形市社会福祉協議会内)との協働で、市内医療機関からの退院時サマリー、退院時のケアマネジャー聴取情報内容の現状を分析してきました。その結果、重要だが記載が少なく、かつケアマネジャーの聞き取り様式にも少ない情報項目として、『退院時指導内容』『退院時バイタルサイン』『患者・家族の希望』『退院後の医療の支援体制』であることがわかりました。退院後の市民の生活の安定のために、何を情報共有しなければならないか、医療機関・地域双方で検討していく今回は第一歩です。

●(成功事例)等を基にした意見交換会やワーキンググループへつなげていっては?など参加者からの意見も頂戴しております。

●青山氏講演よりキーワード

『「自分が活用できる情報」「相手に活用してほしい情報」それを知ることで情報共有が効果的に双方の思いを無理なく市民へつなげる』

 

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