Jan 13, 2017

書籍紹介「認知症 医療の限界、ケアの可能性」 上野秀樹著(精神科医)

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●副題ー訪問精神科医が教える認知症でも幸せに暮らす方法ー

●著者:上野秀樹 医師(精神科医)  ●メディカル出版

●2004年当初認知症の入院医療を信じていた著者が、病院のやむをえない事情から訪問診療を始めたことから、4年間で700人以上の精神症状のある高齢者を診療した。そして「行動・心理症状のひどい方でも、精神科医の訪問診療サービスがあれば、改善が期待できる」との結論に至る。

●今、地域で求められている、精神科訪問診療について実践されてきた医師がいました。

●本文より抜粋

・数年間、認知症の人に対する精神科訪問診療モデル確立のために一生懸命に取り組みました。依頼があれば、片道50キロメートルの道のりを出かけていったこともありました。私の場合、たまたま病棟が開放病棟だったために認知症の人を入院させることができず、必要に迫られて外来で対応した結果、ほとんどの認知症で入院はいらないということに気づくことができました。それまでは。行動・心理症状の激しい認知症の人は入院で対応するしかないと信じていたのですが、幸運にもこうした医療の限界に気づくことができたのです。

●豊富な事例や、ユマニチュードの紹介から、第4章「認知症の人を社会全体で支えるために」まで、とても読みやすい内容で、かつ地域多職種の方には、共感性の高い内容です。是非、ご一読を。お貸し出しできます。

(K・T)

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